はじめに

 世の中には騙す人がいれば、騙される人、騙されない人がいます。騙されないようにするにはどうすればいいかというと、とにかく注意する、怪しいと疑うなどということがよく言われます。確かに間違ってはいないのですが、全てのことに注意するのは現実的ではないですし、全てのことを怪しいと疑うのは常に気を張っていなければいけないので心身ともに疲弊してしまいます。

 私は騙されて良いことと悪いことを区別して、騙されてはいけないことにのみ注意し、慎重に判断するようにしています。今まで 1 度も騙されていないかといえば、そうではないです。ですが、騙されたことで大きな損害を被ったことは 1 度もないです。

事例

 だいぶ前の話になりますが、知人が懸賞詐欺に引っかかりました。当時多くの懸賞に応募していた知人は現金 20 万円の懸賞に当選しました。しかし、その 20 万を受け取るために名前や住所などをやり取りする必要があり、先方から指定された方法はポイント制のメッセージングサービスでした。出会い系サイトでよくある 1 メッセージにつき何ポイント消費というもので、ポイントを購入する必要がありました。

 知人はポイントを購入、消費して名前や住所、振込先をやり取りし、20 万円を受け取ろうとしましたが、なんだかんだと理由をつけられてやり取りを長引かされ、知人は結局 5 万円ほど使ってしまいました。

 5 万円ほど使ってしまったところで私が止めたのでそれ以上の被害は出ませんでしたが、止めていなければもっと使っていたと思います。なぜなら 5 万円を使っていても 20 万円が受け取れるのであれば 15 万円は手に入ると考えてしまうからです。当時私はなかなか上手い詐欺だなと思ったものです。

 知人は決して騙されやすい人ではないですが、このとき騙されてしまった原因はいくつかあります。当時の知人は生活が苦しく、ゆえに現金がもらえるという甘い言葉に騙されてしまったことが 1 つ。もう 1 つは騙されて良いことと悪いことの区別ができていなかったことがあります。

騙されて良いことと悪いことの区別をする

 騙されて良いことは、例え騙されてしまったとしても損害が出ないものです。例えば「次の WWDC で新しい MacBook Pro が発表されるぞ!」とか「あそこの店は美味しくないからやめたほうがいい」などは、信じたからといって大きな損害が出るものではないです。ですよね?

 騙されて悪いことは、騙されてしまうと損害が出てしまうものです。例えば先ほどの話のような金銭が絡むものです。特に金銭を支払うことに対しては非常に慎重になる必要があると考えます。他人が人を騙すのは大半が金銭目的です。

 先ほどの話で言うと、懸賞に当選したところまでは慎重になる必要はないです。なぜなら入ってくると思われるものだからです。ですが、その後のポイントを消費してメッセージのやり取りをするところでは慎重になるべきです。こちらは逆にお金を払う必要がある、つまり一時的にでも損害が発生するからです。

最後は自分で考えて決める

 どんなことでも最終的には自分で考えて決めることです。他人に勧められるがまま決めるのは、決めさせられている、もしくは自分で決めているだけなのでダメです。一歩引いて考えれば、実はそうしないほうが良いと気付くかもしれないし、騙されたとしても自分で決めているからまだ納得がいきます。

まとめ

 全てのことについて騙されないようにするよりも、騙されてはいけないところで騙されないことが重要です。そのためには騙されても問題ないことと、そうでないことを区別し、最終的には自分で考えて決めることがとても大事です。

もしかしたらこの記事に騙されているかも知れませんよ。